人生論・教訓

五輪書 |鎌田 茂雄 /宮本 武蔵

五輪書五輪書
鎌田 茂雄 /宮本 武蔵
講談社 刊
発売日 1986-05
価格:¥903(税込)
オススメ度:★★★★★




神は細部に宿る 2005-02-13
 宮本武蔵の名高い本書をはじめて この文庫でじっくり読んでみた。
 読んで分かったことだが この本は本当に剣法を具体的、実際的に丁寧に教えているKNOW-HOW本である。精神論でもなく 思想書でもなく ひたすら 「足の使い方」だの「刀の持ち方」だのが 説かれている。その意味では現代の「**の達人」であるとか「料理読本」等といった本と基本的な性格は同じであると 思い切って言ってしまおう。
 但し、ではある。
 「細部に神は宿る」とはキリスト教の言葉だが まさしく その言葉を思い出させるものが この本にある。自分の「天職」を「極私的」に「目を凝らしていく」うちに 思いがけなく普遍的な視野が得られるということは 武蔵だけではなく 先達の諸賢の方々にも共通して見られた現象である。その良例は本書からいくらでも引用できる。
「遠き所を近く見、ちかき所を遠くに見る事、兵法の専也」
これは 剣法において 「相手の遠いところをしっかり見る一方 目先の動きには捉われるな」という事を当たり前のように言っているだけだが 実に普遍的な内容ではないかと思う。武蔵は そんな感心している僕を見たとしたら「いったい何に感心しているのだ?」と首をひねるかもしれないが そんなものである。 その意味で この「五輪書」が400年という歳月に耐えて 今なお 多くの人の興味と共感を集めていることに あの世の武蔵も呆れているかもしれない。
 


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この記事は2007/1/31に作成しました。


2007年01月31日 11:48