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モノが売れない時代のバカ売れ心理学 |和田 秀樹

モノが売れない時代のバカ売れ心理学モノが売れない時代のバカ売れ心理学
和田 秀樹
幻冬舎 刊
発売日 2001-10
価格:¥1,470(税込)
オススメ度:★★★★


本書は、精神科医が書き下ろした、モノが売れない時代にモノを売るための処方箋である。
著者は、時代の変化を読むポイントとして、マスメディアの報道をあてにせず、確率や統計データを重視し、消費者が個性や多様性を求めているという幻想を捨て、若者は皆で同じものを追うことに安心感を見いだすということに着目し、売れるモノより買う人のパーソナリティーを追及し、マスコミへの露出度や認知度によって商品の売れ行きを促進するべきだと指摘する。
また、消費者のタイプを、周囲に自分を合わせることを重要視する「シゾフレ人間」(シゾフレニア=精神分裂病の造語)と、自分の価値観や好みを大切にする「メランコ人間」(メランコリー=そううつ病の造語)とに分類し、前者は1965年以降生まれ、後者は1955年以前生まれに多いと分析する。また、社会のさまざまな場面でシゾフレ化が見過ごされてしまうのは、世の中を動かしている人々の大半がメランコ世代であるからだという。
現代のようなシゾフレ人間主導の時代には、シゾフレ人間に合わせた商品開発をしなければモノは売れないし、彼らをマネジメントする最善の方法はルールとマニュアルを示すことだというのが著者の主張である。さらに著者は、メランコ人間にターゲットを絞るなら理屈の通った説明を備えたこだわりの一品と一生もので勝負せよとも言う。
最後の方で著者は、いま日本に必要なのは、競争社会の再構築であり社会全体のメランコ化促進なのだと主張する。消費者行動とマーケティングを学ぶ人にとって、斬新な視点を与えてくれる貴重な1冊である。(増渕正明)

調査結果の矛盾に納得 2003-03-03
商品開発や売上不振の原因を探る一番の手段として、これまで私は消費者の声を量的・質的に聴取してきた。しかし、それらの結果は必ずしも消費者が論理的な思考で商品を購入しているとは考えられず、調査設計のミスではないかと何度も疑ってはみたが、どうも原因はそれではないように思えてきた。
特に十代を対象にした調査では、この傾向が顕著で分析に頭を抱えることがしばしばだ。結局のところ、統計学だけではなく、心理学的なアプローチが重要であると気付いた時、この本に出会った。
本書の中で言う「シゾフレ人間」「メランコ人間」という2軸の立てわけは実務に携わる者にとっては非常にわかりやすい。(多すぎるセグメンテーションは実務には不向きであると考える)また、本書の中ではそれぞれ?!??!!ターゲットにした場合のKFSについてもまとめており、アクションプランを考えるのにも、とても有効である。
これまで著者については受験時やテレビで拝見するだけであったが、自らの専門分野においても、非常に有益な情報を提供してくれることを認識できた一冊であった。


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この記事は2007/5/30に作成しました。


2007年05月30日 11:46